13 / 21

何もない特別

 俺の仕事に祝日は関係ない。  言い換えると君の生活にも祝日は関係ない。  祝い事といえば、記念日くらいだろうか。  そんな生活が嫌かと聞かれれば、決して嫌ではない。  なぜなら、いなければならない君と共に、生活のほぼ全てを過ごせているから。  たとえ世界が終わろうとしても、その隣に君がいてくれればそれだけで満足できるだろう。  もちろん、君と共にいつまでも過ごしていきたいけれど。  だから、今日は君と過ごせていることを共に祝いたい気分になってきた。  俺は散らかしていた仕事のものを片付け、俺のために身の回りをしてくれている君の元へと向かった。 「ねぇ、今日はお祝いしたい気分なんだ」 (この作品は第60回Twitter300字ssの企画に参加した作品です)

ともだちにシェアしよう!