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第2話

 昔から自分の考えや意見を口に出して言うのは億劫だった。 しゃべると、僕はほかの人とのずれを突きつけられる。 話すなら、何人か意見を聞いた後多い方の意見に寄せて話す。 そうしないと、僕の意見は異常だと気づかされてしまうんだ。 「風海くん、その……ずっと好きでした」 女の子に初めて告白されたのは中一の四月。 真っ赤になって告白してくる彼女に『部活が忙しいから』と嘘を吐いた。 必死で告白してきた彼女に、何も感情が浮かばなかったからだ。 「また告白、断ったのか」 「遼。見てたのかよ」 「俺は体育館の当番で、ドアを開けに来ただけだ」 「……そう」 同じバスケ部で、補欠とレギュラーを行き来する僕と、キャプテンの遼では格が違いすぎる。 それでも普段通りに接してくれる遼が好きだった。 そう。――好きだったんだ。

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