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第11話

「今は、難しいことは何も考えなくていいんですよ、風海さん」 「えっと、君は」 「俺は、遼兄ちゃんによく遊んで貰ってた征孜だってば。でも今はただただ、これだけだよ」 生きてくれてありがとう。 征孜くんは泣きそうな笑顔でそういうと、ごめんなさいっと断ってから僕の手を握り泣いてくれた。 色んな人に助けられ、迷惑をかけつつ僕はどうやら五年間、昏睡状態だったらしい。

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