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第13話

「俺の方こそごめん。五年も……もう、もうお前が目を覚まさないと思って、本当に俺」 言いかけた言葉は、涙でつまって声にならずに消えていく。  五年経っていても、遼の声は優しく僕の心に浸透していった。 「遼……僕は全く気にしていないし、変わらず遼が好きだよ」  真っ赤になりながら恥ずかしいけど、本音を伝えた。  遼は僕の手に口づけしてくれたけれど、『俺もだ』と同意はしてくれなかった。  なんでだろう。僕の顔をみる遼の眼は辛そうで、それに俺は怯えてしまう。  なんでそんな顔をするの? そう聞いたら、終わってしまいそうで、聞けないでいた。

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