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第15話
「そうなんですよねえ。五年も眠っていたとは思えないわ。でも無理しないで、どこか異変があったら言ってくださいね」
僕より数歳年上かな。
しっかりしていて綺麗で、動きが可愛い。
こんな素敵な女性もいるんだなあ。
「……彼女がきになります?」
「え? 僕が?」
「だって、すっごく観察するように見てました」
観察するように見ていたと言われ、失礼な視線を向けてしまったのかと不安になった。
「……差尻さん、気を悪くしたかな。そんなつもりはなかったんだけど」
「さあ。俺だけがそう思っただけかもですし」
少し棘のある言葉に驚いたものの、自分が発言に気を付ければいいだけのことだから、僕はそれ以上は口を閉ざした。
二人の時、選択を間違えたらいけない。社会復帰までリハビリをしてくれる年下の子に、嫌われるのは少し怖い。
「ごめんなさい。生意気すぎました」
「え」
「俺の方がいっぱいそばにいるのに、風海さんが差尻さんばっか見るから」
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