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第49話
朝の光の中、笑うあなたが見たい。
「……くん、せーじ、くん」
俺の名前を呼んでくれるたびに、心が躍り出しそう。
まるで初恋をしった少年のように、じゃない。
俺は最初から、貴方が好きだった。
貴方を想っていた。
貴方だけが――。
「征孜くん、起きて、征孜くん」
「ええ!?」
がバッと起き上がると、クスクス笑う風海さんが見えた。
「え? うそ、……俺、寝てたの?」
仕事中に?
この俺が?
「ふふ。寝言言ってたよ」
「えええ。すいません、ほんと、勤務中に、ほんとすいません、すいません」
「あっ――しっ」
廊下の気配を感じたのか、人差し指で口を押えて、静かにって合図する。
それと同時に、風海さんは俺の手を掴んだ。
「風海さん、点滴はどうですか――ってありゃ、征孜くんがいる」
「はい。手のリハビリってことでマッサージしてくれてます」
「そう。ん。点滴も終わったわね。夜ご飯は七倍粥になるけど、大丈夫かな?」
「はい。問題ありません」
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