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第122話
「そう、ですか」
信じられない。半年はリハビリが必要だって言っていたのに。
目が覚めた瞬間、手も足も自分のものではないようで、動くこともままならず悔しくて不安だったのに。
今はもう壁を伝い歩きなんて普通にできてるし、食事ももうすぐおかゆも終わる。
「しばらくはリハビリには通ってもらうと思います。風海さんが社会復帰するまでは絶対に見捨てませんよ」
「……ありがとうございます。頑張らないとね。すぐに熱が出ちゃうような弱い部分も克服しないといけない」
自分の弱い部分は嫌というほどわかってしまった。
征孜くんと一緒で、恋愛は臆病な自分がさらけ出されるし好きになれない。
一人で生きていけるまで、頑張らないといけない。
「……遼くん、招待状も配っていたのに結婚式が延期になったって聞きました?」
「うん」
「内緒なんですが……友達が言ってたんです。遼くん、本社に呼ばれたのに転勤を断ったって。栄転なのに。だからもしかしたら仕事辞めちゃうんじゃないかな」
栄転なら断らなきゃいいのに。
こんな閉鎖された街より、そちらの方が遼にあってる。
全部、僕が足枷になってしまっているんだな。
「だからそっちのごたごたのせいで、結婚式が延期って可哀そうですよね。エステだってダイエットだってその日のために調整してきたのに!」
「え、あは。そっか。女性にとってはそっちも問題だよね」
「当たり前です。笑い事じゃないですよ」
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