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第125話
「中学の時さ、一緒に帰るじゃん、で駄菓子屋でアイスをよく買って帰ってたろ。覚えてる?」
「うん。中学で寄り道できる場所はそこと、友達の親が何人も働いてる大型スーパーだけだった」
スーパーで帰り道に買い食いなんてすればすぐに親同士で拡散され先生に告げ口される。
のんびりしたおばあさんが経営している駄菓子屋が唯一の買い食い場所だった。
「あんときにさ、アイスの棒を咥えて、ずっと噛んでる風海が超えろくてさ」
「ぶっ。は? え、えろって、はあ?」
「夏もやばかったな。溶けるアイスを舌で下から上に掬うの。お前、フェラほんと下手だけど、舌の動きが」
「うーわー! 馬鹿! こんな時に、何を言ってるんだよ! ばか」
何の話をしてるのか驚いた。
信じられない。僕たちは別れてるし、遼には婚約者がいるのに、昔の話をなんで、そんな。
「で、怒った顔も可愛いんだけど、いつの間にか怒ってくれなくなって、なんていうか我慢バッカさせてたから」
だからもっと怒っていいよ。
もっと感情を見せてほしい。
今度こそ。
そんな風に話を持ってくる遼は、ずるい奴だった。
忘れていたけど、僕の心をかっさらって夢中にさせていた男なんだ。
遼という完璧な人間は。
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