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第127話

「リハビリもだけど、クリスマスの外出届も無事に受理されましたよ」 「え、いつのまに」 「渡辺さんサンタが、今年は遼のせいで辛気臭いからぱあっと波に乗ってサーフィンしながら登場したいとか言ってるんです。見に行きますよね」 「もちろん、行きたい」 「一人で歩行もできますし、筋力トレーニングも順調に回数増やせていけてるし退院もすぐみたいですよ」 「やった。頑張らなきゃ」 気づけば車椅子は僕の部屋から撤去されていた。 征孜くんが勝手に持ち込んだ折り畳みベットもなくなり、遼が持ってきたソファとテーブルが置かれている。  そこは遼が座ったり、一文字くんが勉強机に使ったり、食事休憩の時に征孜くんが乱入してきたりと大活躍だ。 「リハビリを頑張ってる風海さんは、征孜サンタから何が欲しいですか?」 「えー。年下で、しかもお世話になりっぱなしの君からは何ももらえないよ」 「じゃあ俺に風海サンタは何かくれます?」  ぐいっと一歩近づいてきたけどとっさには後ろに逃げられなかった。  真剣な様子に、僕は首を傾げる。 「無職で貧弱な僕からもらえるものは少ないよ」 「クリスマスの時間です。ぜっっっっっっっったいに俺だけにください。今までのご褒美に、俺だけですよ」 「はは。予定はないからいいよ。親にもゆっくりしてって伝える」 「もう一人、伝えなきゃいけない相手がいるでしょ。俺から言っていいですか」

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