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第17話

この人、渋くて素敵だけど……執事なのかな? もしかして、あの執事の服来てくれるの? 和風な館であの執事服? 萌える。すごく萌える。 「あの、俺は約束したんで鯉でも見てますが、先に中に入っていてください。えっと」 「大変失礼いたしました。私、運転手兼ひ……ごほん」 言いかけた言葉を咳払いし誤魔化すと、微笑まれてしまう。 「私、竜宮家の者で、辰崎ともうします。運転手としてお送りしただけですし、新居は旦那さまが和葉さまを抱えて入りたいとおっしゃっていたので、私は入りません」 「え、俺を抱きかかえるの?」 「新婚夫婦はそんな風習があります」 ……そうなんだ? 女が男を苛める官能小説ばかり書いてきた俺には、結婚の知識は無いに等しいから、そんなものなかもしれない。 「同性婚でもしないといけないんですか?」 「好きな人同士が結婚されて、共同作業をすることに、同性も異性も関係ありませんよ」 穏やかで、すっと頭に入ってくる言葉。 辰崎さんはとても雰囲気も落ちついているし、執事の服……着てほしいな。 「そう言えば、池と言ったけれど、これ池ですよね?」

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