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第25話
『法律を変えることが出来るなら立派なものだ。頑張りなさい』
小学生の時に、和葉さんに惚れて結婚したいと思い祖父に打ち明けた。
同性を好きだと言う俺を、跡取りにできるかと。
すると祖父の返事は、法律を変えられるほど本気ならと応援してくれたのだ。
俺は生まれた時から竜宮家の跡取りで、小学生になった歳に英語はほぼマスターしていたが、あと10か国語取得し、尚且つ経済学、地理、世界情勢、株、政治など毎日勉強しないといけない事だらけだった。
それに息を詰まらせるというわけではないが、自分はこのまま親が決めたレールの上を辿って行くだけでは、成長しないんじゃないだろうかと焦っていた。
『辰崎さん、少し人生について考えたいので、エスケープさせてくれませんか?』
あれは7歳のころだ。小学校に迎えに来た辰崎さんにそんな我儘を言って、自分の足で歩いて帰っていた時だ。
公園の、子どもの遊具の上で座って煙草を吸っている不良を見つけたのは。
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