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第26話

不良には興味があった。どうして心を屈折させて、非行に走ったり馬鹿な事をするのか、研究してみたかった。 俺はその煙草を咥えた高校生の元へ歩み寄った。 『あの』 俺の声に気付いて、その人は振り向くと煙草を口から離す。 その唇が、なんだか艶やかで目が離せなかった。 『どしたの?』 柔らかい笑顔、少し面倒くさそうな様子がけ気だるげに見えるし、座った体制で細い腰が強調されていて、思わず言葉を失う。 なんだろう、その人の雰囲気や仕草、表情や綺麗な顔に初めて下半身がうずく。 首を傾げて俺を見下ろすその人は、俺の顔を見て気付いたのか嘆息した。 『あー……ああ、竜宮家のおぼっちゃまじゃん。何?』 この人は、俺の事を知っているようだった。 俺は勉強で自由がほぼない代わりに、周りにはかなり大切にされている自覚はあった。 だから、こんな風に俺を嫌がる人は初めてだった。 もう少し、表情に出さないように振舞えないのかな。 世渡りが下手な人だ。 そんな印象もあり、まじまじと見つめてしまった。 『いえ。貴方とお話してみたくなったんです』

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