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第28話
入籍して三日目。
寝室は、初夜を迎えてから一緒にしようと思っていたので別々だったのだけど、まともに顔が見れていない。
二日ほど和葉さんは執筆で徹夜状態なのだ。
因みに和葉さんのスケジュールは大体把握している。
3~5日ほど徹夜して、脱稿後二日ほど死んだようにただひたすら寝る。
そして残り10日ほどボーっとしたり、本の表紙として送られてくる官能的なイラストに興奮してシングルナイトをおくる。
なので徹夜中食べやすいようにオニギリの中に栄養剤やおかずを混ぜ込む。
「……あっくん!」
「なんですか?」
部屋から出てきたボロボロの和葉さんが俺を見て、虚ろな目で倒れそうになりながら縋りついてくる。
「バイブを入れたまま運転するのって、警察的に見てどう?」
「え」
「女社長が、秘書の若い男にバイブ入れたまま運転させるシーン。編集部から没って言われたんだけど!」
目が血走ってきた。
というか、先日女社長が秘書にセクハラして逮捕されている。タイムリーな話題だから没なんじゃないだろうか。
テレビを見ない和葉さんには分からないかもしれない。
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