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第29話
「あの……俺交通課ではないのですか、普通に考えても危ないし非常識です」
「違反? 免許はく奪?」
「ちょっと分からないです。あの、誰かにやらせてみましょうか?」
「現実では駄目なんだよ。リアル感を追求したいけど、本当にしたらダメなんだよ!」
ああ、和葉さん。仕事に熱心なのは尊敬します。
けれど二日ぶりに会話するパートナーにバイブの話ってどうなんでしょうか。
俺は寂しいです。
「疲れてますね。フルーツのスムージーと甘いもの用意しますよ」
「……ごめん。あとセクハラだ。ごめん」
項垂れて申し訳なさそうな顔に、思わず抱きしめたくなる。
そんな弱った顔、見せないでほしい。
包んであげたくなる。
でも仕事の緊張感でピリピリしているのを邪魔したくない。
「いいんです。もう最終章ぐらいですから気持ちが高ぶってるんでしょ? 和葉さんからのセクハラなら大歓迎です!」
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