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第31話
『破廉恥ブーメランパンツ野郎』
官能小説界のドM男たちの神的な存在である小説家。
サイン会やその作家の本名どころか性別さえも不明で、生きる伝説になっている。
主に高給な職業の男たちが女性に性的にいじめられる話を書いているんだけど、俺も最初は信じられなかった。
あんなストイックで綺麗な人が、こんなえぐい話を書いているなんて、信じていいのかわからない。
屈強な警察官たちが、事件を追ううちにSM嬢の悪役に手籠めにされてしまうシリーズが大ヒットして10万冊は売れている。この業界でそんなに売れる人はそうそういない。
それ故、この人が性癖を恥ずかしがらず書き殴ってくれているので賛同者が多いのだろうけど。
俺はそんな小説も嫌いではないので、忙しい生活の中、料理を作りながら読んだり、講義やお昼時に読んだりしている。
指先、つま先一本にもこだわった丁寧な描写は艶めかしく、そそる。
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