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第35話

「は?」 「三日も官能小説なんて書いてたら、溜まってるでしょ。これも嫁の務めです」 お前が嫁なのか。 確かに婚姻届けも提出しているし、キスもした。 が、ちょっと待ってほしい。三日徹夜した頭では理性が動いてくれないけれど、それはだめだ。 あっくんが俺のジーンズに手を添え脱がせようとしてきたので後ずさる。 「だ、ダメだ。風呂入らせろ」 「俺は大丈夫です!」 「大丈夫じゃないのは俺のほうだ」 絶対に嫌だ。 だが、心なしかあっくんの目が獣のように燃えている気がする。 「好きな人が嫌がることはしてはいけない」 「そうですけど」 「夫婦の間でもゴーカン罪は適用される!」 「……ゴーカンじゃないです。俺は、俺は……和葉さんとイチャイチャするのを楽しみにこの三日間寂しさを耐えていたんです!」 よよよと、畳の上に座り込んでエプロンを口に咥え泣いているが、もう前も後ろも丸見えじゃないか。 裸エプロンの、見えそうで見えない前、むっちりした筋肉、ぷっくりしたお尻。 それがすべてほぼ丸見えなのじゃ風流に欠ける。 でも確かに、この三日オニギリ作ってくれたり冷房の調節してくれたり、下着の替えを用意してくれたりと、毎日世話してくれたっけ。 「……じゃあ一緒に風呂入るか?」

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