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第38話
「お前、こんなの好きなのかよ」
渡されたのは、真黒な紐パンビキニだった。
両手で広げてみると、布の部分が小さすぎて毛とか毛とか、あと毛がはみ出るように見える。
「あの、俺も一つ大事なことを聞きたいのですが」
「いいぞ」
「和葉さん、ゲイですか?」
「は?」
「少なくても、筋肉のあるがっしりした男性は好きですよね。いつも小説の中では快楽でいじめていますし」
「まあ……好きだけど」
性癖だけど、俺がいじめたいわけではなく女性にいじめられている、地位も名誉も家柄もいい、その上肉体も美しい男……。
考えながらちらりとあっくんを見る。
脱ぎ捨てたエプロンを再び着てもらったが、はっきり言う。
その肉体に裸エプロンはダメだ。俺の性癖ど真ん中だ。
その体で警察官は反則だし、医者やスーツ、胸をはだけさせた着物、は凶器だし、軍服とか着た瞬間、俺は死ぬだろう。
「お前の体も大好きだが、ゲイではない、かな?」
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