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第41話
タオルで隠して、素知らぬ顔をしようと横を向いた瞬間、お前は野球選手かと言いたくなるぐらい綺麗なフォームでタオルを投げられた。
反対側の壁まで飛ばされたタオルが、壁をずるずる伝いながら落ちている。
「あ、あっくん」
「お仕事で頑張った証拠を隠さないでいいんですよ」
「いや、でも、グロいだろ?」
「和葉さんの体にグロい部分は一ミリもありませんよ。失礼しますね」
あっくんが両膝をついて俺の前を洗い出した。
「ふふ。洗っても洗ってもぬるぬるしちゃいますね」
「や、だ、だめだって。ちょ、スポンジは?」
体を洗っていたはずのスポンジが見当たらない。気づいたら、直に触られている。
「スポンジは、間違えてタオルと一緒に投げちゃいました」
絶対間違えてない。
どうしよう。あっくんが、根元からやわやわと触り、最後に頭の部分を指先で絞るように撫でる。
それが足がしびれてしまうほど、気持ちがいい。
「あっくん」
「あ、やばい。和葉さん、じんわりと湿ってきてますね」
少し顔が近づき、キスかと身構えたら首筋に顔を埋められた。
「顔を見たら、理性が壊れてしまいそう。嫁として、吐き出して楽にさせてあげたいだけなのに」
「……いや、俺が出すなら、一緒に出そうよ。恥ずかしいだろ」
「いいんですか!」
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