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第43話
俺の小説では主に、踏まれたり縛られたり、尿道に栓されたりひどい扱いを受けるけど、涙をこぼして喜ぶ棒なんだけど、なんだろう。
あっくんのこれにそんなことをしてはいけない気がする。
地位もあり、家柄もよく、育ちもいい。
俺が小説の中で、これほどかっというほどいじめてるのに。
あっくんのは、なんか。
「可愛い……」
よしよしと頭を撫でたら、ポタポタと俺の頭に雨が落ちてきた。
「あっくん?」
「か、可愛い……。俺のは和葉さんには小さいですか。30センチはないと、満足できませんか?」
ポタポタと落ちていたのは、あっくんの涙だった。
「いや、凶器だよ! 十分凶器! 違うんだよ! いじめたいって思えないぐらい、愛おしいっていう可愛さで!」
「……愛しい」
嬉しかったのか、ぴくぴくと鈴口が動いた。
「あっくん、忙しい時以外は毎回一緒にお風呂に入るってルールを作ろうか」
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