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第51話
「あっくん……その姿は」
「誘っています」
「ですよね」
拝みたくなるような裸エプロンに、俺はこのまま寝室に布団を敷くのをためらわない気がした。
けど。
「お願い! その格好でしてほしいことがあるんだけど! ね、頼む!」
「いいですよ」
あっくんは頼む内容も聞かないまま、即答してくれた。
素敵すぎる。
「服は、はだけたりラッキースケベで胸が見えやすい浴衣にしました」
「歪みないね」
徹底されたあっくんの信念に感心するよ。12歳年上の疲れ切ったおっさんの胸なんか見えても何も嬉しくないだろうに。
でも今は、その裸エプロンを堪能したいから黙っておく。
「髪はサラサラで手入れは楽そうですが、問題はこっち、唇がかさかさですね。今度お手入れ方法探しておきます」
「嫁か」
あ、嫁だった。
黙って着替えさせてもらい、俺は背伸びしてあっくんの耳にお願い事を囁いた。
「そんなことでいいんですか?」
「もちろん!」
あっくんの表情は、気恥ずかしそうな、それでいて幸せそうな顔だったので、俺は満足げに頷いたのだった。
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