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第53話
「いやだ。あっくんの料理する姿、ずっと見ていたい」
「和葉さん……」
抱きしめたからわかる。すごい胸板。固い。腰までのこの角度、逆三角形だし分度器で測りたいぐらい素晴らしい引き締まり方。
ああ。離れたくない。
今度の官能小説は、家に監禁しちゃう系にしようかな。
自分のために料理を作る屈強な男を後ろからバイブで攻めて、あんあん言わせちゃうやつ。
イチャイチャが終わったら、プロット組もうっと。
「あっくん、後ろ振り向いて」
「もー、なんです、」
か、と言い終わる前に背伸びして俺からキスする。
うーん。このちょっと膝を折って屈んでくれるのたまらない。
が、フッとあっくんの顔が真顔になった。
「それは反則でしょ」
火を止めるとくるんと俺に向き直って抱きしめ返してきた。
「煽ったのは――和葉さんですからね!」
「……う、うん」
抱きしめられながらも、あっくんの下半身の硬度が増していっているのを俺も感じて頷く。
この先、どうなっちゃおうんだろう。
この硬いモノで俺、一体……。
「あっくん、俺、おじさんだけど……初めてだから」
「おっさんじゃないです! それに優しくします」
ああ、お味噌汁の匂いを嗅ぎながらうっとり目を閉じる。
こんなに熱くて火傷してしまいそうなほど火照った体で抱きしめられたら、もう身を任せても――。
「失礼いたします。昭親さま、もうとっくに講義の――」
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