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第88話
この人、酔っぱらうと駄目だ。小説の執筆のおかげて表に出てこない卑猥な部分が、全開で浮かび上がってくる。
これは俺の前以外では絶対にお酒を飲ませられない。
「お水です。これでも飲んで落ち着いてください」
空になったボトルを回収しつつ、お水をテーブルに置く。
「だって、……お酒飲んだら本音を吐けるって、昼下がりの情事っぽく辰崎さんが、言うんだもん」
次は、めそめそと泣き出してしまった。
「なのに、怒ることないじゃん」
「怒ってません。太もものお仕置きも最高でしたし、二十歳になったらわかめ酒は絶対してもらいますし、酔っぱらうと尊大口調で可愛いですよ」
台所から持ってきたタオルで、お酒を拭く。
そしてもう一個持ってきた水を、胸板から流した。
「んっ つめたっ」
「お仕置き、受けます。水なら飲みます」
「へ?」
「少し足、開いてください。顔が埋められないですよ」
酔っぱらった彼の提案にのって、飲んでやろう。
ここまで煽っておいて、何もできないわけじゃ俺の下半身が可哀想だしな。
「えー」
「はやく、足を開いて」
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