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第89話

 文句を言いつつも、素直に足を薄く開いた。 胸に流した水が、開いた足から畳へと流れ落ちていく。 「あっくん。まだ?」 火照る頬、熱い吐息。震えている身体。 今すぐいただきたいです。某ルパンみたいに、服を脱ぎながら和葉さんに飛び込みたい。 けれど、初夜前。ましてや酔って、明日には覚えてないとか言いそうな状況。 「あっくん。早く……」 するすると浴衣を肩まで脱いで、片足を立てて、濡れた目で俺を見上げる。 初夜がどうとか、俺の理性はどうでもいいと判決した。 最後までしなければ、味見であり、セーフなのだと。 「和葉さん、失礼します」 太ももを割って、俺の足を当てる。 お酒で濡れ、水で濡れたそこは、俺のズボンを湿らせていく。 「ゃ、ちが、わかめ酒……」 「でも、ここ、まだアルコールの匂いがします。舐めたいけど、……我慢しないと」 代わりに、また水を少し胸に垂らし、畳に流れる前に舌で受け止め、首まで舐め上げていく。 「んっ ……な、に?」  俺の舌が胸を這うのが気持ち悪いのか、体がびくびくと跳ねる。 胸の突起か、ぷっくりと尖りだして思わず指先で触れる。 「ゃぁっ」 小さく頭を振る。けれど、俺の足で刺激していた部分がゆっくりと頭を持ち上げてきていた。 「あれ? ここ、さっき拭いたのに濡れてます。お酒が綺麗に拭けてなかったのかな」

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