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第90話

片手で握り、擦りあげて先端を指先で刺激する。すると、なんど親指で拭っても、ぷくりと先走りが浮かび上がり指先を濡らしていく。 「ひゃっ」 「和葉さん、俺、酒を飲むと起たないって聞いていたんですけど、すごく反応してますね」 「いう、な。馬鹿」 触られてとっくにトロトロなのに、まだ強気なのを崩さない。 指を噛んで、腰を揺らして快感を耐えようとしている。 その姿に、俺の下半身に熱が集中していく。 擦っていた手を離し、和葉さんが荒い息を吐きながら耐えているその顔に指先を近づける。 そして閉じていた指を、和葉さんの目の前で開く。 糸を引いて離れていく指を見て、和葉さんの顔が耳まで真っ赤になった。 「すごいでしょ? 和葉さんの先走り」 「ばっ お前、何を」 「お仕置きなんでしょ? 俺が早く帰ってこなかったお仕置き。だから俺は全力で和葉さんを気持ちよくさせてあげます。体は、待ってるみたいだし」 濡れた指先で唇に触れた。指を噛んでほしくなくて、唇に指を押し込む。 自分の先走りだと嫌悪したのか、唇が薄く開く。 その唇の端から唾液が流れ、その流れを指先で追っていく。 「和葉さん、お酒で酔った体が、いつもより熱くて……エロいです」 「う、っせ。ば、か」

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