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第97話

「和葉さんがいいならば」 一応、あれは本当の制服だ。警察庁で働いている人に借りた、本物。紛失したら退職ぐらいでは済まされない、ましてや結婚式に着るために借りたとなれば責任云々で騒がれそうなものだ。 だけど、和葉さんのためならぜひ。 和葉さんの願いなら何でも言ってください。絶対叶えます。 「あと、指入れさせて」 「無理です」 短い自信だった。それは、例外的に無理だった。 「ゆ、ゆびー!」 子どもみたいに地団駄踏みだした。30歳可愛い。 「ごめんなさい。本当、それだけは勘弁してください」 「いやだっ あっくんの馬鹿っ 甲斐性なし! 不感症!」 「どれも当てはまりません! 大体、和葉さん、いっつもドMな年上の地位ある男ばかり虐めてますが、年下の持久力、精力ある攻めも出してください」 「いやだ。指入れたいと思わないっ」 全否定され、俺の男としてのプライドが崩れそうだ。 ……あれ? でもじゃあなんで俺には指を入れたがるんだ。 絶対に、何が何でも入れさせないけど。 「和葉さん、俺、白衣着ますよ。白衣で、聴診器プレイとかしますから!」

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