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第106話

「うっ い、痛い。や、やめ、し、縛らないでっ」 体中を縛る赤い帯が、解けない。動けば動くほど絡まって深く食い込んでいく。 も、もう駄目だ。 「ふふふふ、和葉さーん」 ぱちんと、漫画みたいな効果音が出そうなほど急激に目が覚める。 というのも、耳元であっくんの声が聞こえたからだ。 頭が割れそうに痛いのに、体中が苦しいのは後ろからあっくんに抱きしめられているからなようだ。 喉が渇いたので飲みに行きたいが、頭は痛いし体は後ろからがっつり掴まれてるし。 そもそも、なんでこの人、俺の布団に侵入してるんだ? 「あっくん、起きて。起きてよ」 「和葉さんの匂いがするー」 「あっくんってば! 布団に潜り込むとかルール違反だろ!」 俺がもがくと、偶然にも体をよじったとき太ももが朝起ちしていたらしいあっくんの股間に当たってしまった。

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