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第110話

30歳のおっさんを可愛いって……。 あっくんは眼科に行った方がいいと思う。 「とりあえず寝ててください。水を持ってきますね」 「う。寝室に行く」 忘れていたけど、昨日か今日、挿絵の打ち合わせで数枚送られてくるんだ。 それで小説の場面と違うところはないか確認して要望があればメールしないといけない。 急ぎの案件ではないがこれをずるずる放置すると次の仕事に食い込むし、それに何といってもご褒美だ。 俺が一番エロい絵を描くと思っているイラストレーターにお願いした挿絵だ。 いつも見ながら興奮してしまうんだよね。 おひとり様期間が長かったせいで、大変お世話になっているのだ。 寝室に戻りパソコンの画面を立ち上げるとやはり、メールが来ている。 「もー。和葉さん、眠っていてください」 寝室には入ってこないが、部屋の向こうであっくんが怒っている。 昨日の件は全く覚えていないが、これ以上あっくんを怒らせることは止めよう。 あっくんが仕事へ行ってから、こっそり確認しよう。 「寝室に入ったらダメってルールらしいので、今日はこっちの部屋で寝てください」

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