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第111話

なんとリビングに布団が敷かれている。 「あのう、あっくん、今日は仕事は?」 「勿論休みですよ」  なんて素敵なタイミングなんだろう。 「二日酔いに効く食事を作りますからね」 困った。緊急の仕事で出動しないかな。 「和葉さん、携帯電話も使ってくださいね。これ」 「ああ、ありがとう」  お礼を言いつつもそわそわ落ち着かない。 今回表紙と挿絵をお願いした人は、人気エロ同人作家の人で新しいシリーズになる予定の一巻目を飾ってくれてるんだ。  今回は駅の車掌さん。痴漢にあったと訴える女性に、痴漢も捕まえれきれない駄目男とののしられ――。 俺が一番楽しみな挿絵は、その女性に痴漢にあった人の気持ちを味わえと、満員電車で痴漢されちゃうやつ。 屈強なおっさんの胸が、窓に押し付けられて固くなった乳首が押しつぶされてエロくなっているはずの挿絵。 ああ、見たい。 見たら頭痛なんて吹っ飛ぶのに。 ちらりと横目であっくんを見ると、あっくんは客間から持ってきたプレゼントを広げだしていた。

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