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第112話
「これが、イエスイエス枕。こっちが和葉さんに似合うと思って衝動買いした服たち、和葉さんにはこのブランドが合うと思ったので、キーケースもバッグもサングラスも財布もこのブランド。こっちはスーツ一式、こっちは――」
サングラスはしないし、財布はネットショッピングしかしないから使わないし、ファッションはよくわからないから困るし、イエスイエス枕とか用途が意味わからない。
流石、竜宮家のご嫡男だ。お金の使い方に無駄が多い。
でも警察なんだから、高卒の公務員はそんなに初任給は高くないはず。
ルールにお小遣い制もプラスさせないといけない。
――本当に結婚生活が続くのであれば。
「やっぱ具合がよくないときに、プレゼントなんて見せてはいけなかったですね」
「いや、気持ちは嬉しいよ。その枕だって執筆中は背中にクッションとして置くと丁度よさそうだし」
俺が喜んでいないのを察して、プレゼントを片付けだしたあっくんの背中が少し小さく見える。
申し訳ない。
「そうだ、二人の間でのルールですが」
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