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第115話
「これから、俺と10年以上、いや、20年、30年生きるんだ。子どももできず二人っきりで、だぞ」
「はい。和葉さんを独り占めできるなんて幸せすぎます」
きっぱり言いのけたあっくんの目には、嘘は書いてないように思える。
自惚れかもしれないけど、あっくんの顔に『和葉さんが好きです』と書いているように感じた。
「……でも」
証拠は出ている。言い逃れできないほど、俺を売る算段を俺は知っている。
「お前、アラブの王様系と交流あるだろ」
「そうですね。昨日も競りでなかなか向こうが引かないので、貿易打ち切ろうと思ってしまいましたが、普段は仲は悪くないです」
「……そうだろ。それが答えなんだ」
内臓脂肪がつかない食事、隔離された屋敷に幽閉、石油王、贈呈。
大体のワードを見ても、誰がどう見ても答えはこう答えるはずだ。
海外の有名顧客、または金でモノを言わせて自分の病を治したい石油王のために、俺の内臓を売りさばくはずだ、と。
「はっきり言ってください。はっきり言わないと、俺本気で聞き出しますよ。すっごい拷問で」
「――すっごい拷問?」
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