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第121話

「あっくんはいつも俺とちゃんと向き合ってくれてたのに、自分のことばっかでごめんな」 「別に、ちょっとエロいこともできてるし、ごり押しして結婚してもらったし、忘れられていた時よりも幸せですので」 と言いつつも、あっくんが傷ついているのが目に見えてわかる。 そりゃあ、あんなに好きだ好きだと言ってくれていたのに、俺は内臓を売られると勝手に決め込んで、こんな結婚長くは続かないと諦めていたんだ。 「……お前、本当に俺と結婚する気か?」 「もうしてますけど」 ふっと笑った。 その顔が切なくて、思わず頭をがしがし撫でまわしたくなる。 そんな顔をするな、いや、させてるのは俺なんだ。 10年間、誰とも接触したくなくて逃げてきた俺のせいだ。 「俺が40歳になったらお前、28歳だぞ。絶対後悔する」 「しません。40歳の和葉さんはとても魅力的です」 「なんで分かるんだよ」 「好きだから、に決まってるでしょ?」

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