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第124話

「そうですね。夢じゃない。俺、今――和葉さんに抱きしめられてる」 「大きいから抱き着いてる感じだけど」 よしよしと髪を撫でると、これほどか、というほど蕩けた顔で俺を見る。 「辰崎さんが言ってたけど、俺、結婚してからあっくんをどんどん好きになるって言われて納得した。お前は、好きにならないわけないわ」  尻尾振って可愛い愛犬みたいで、――いや愛犬は抱き着いているこの状況で下半身を固くはしないか。 足に、なかなか硬いものが当たってちょっと落ち着かない。 「和葉さん」 「きっと俺は、日ごとあっくんが好きになるから待っててくれると嬉しい」 「勿論ですっ 待ちます。というか、もう幸せですよ」 ぎゅっと抱き寄せられ、お腹に当たる硬いモノに、ちょっとだけ好奇心がわく。 お腹でスリスリしたら、びくびくと反応するのが面白い。 手で掴んでみたら、あっくんの喉が鳴った。 「和葉さん、大人しくしててください」 「大人しくないのはお前の下半身だろ」

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