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第126話

「く。意地悪なのに、意地悪なのに可愛い。可愛いのに。触り方が、意地悪だ」  悔しそうに顔を赤らめるあっくんを見て、あっくんの方が可愛いなって思えた。 つい頬に唇をくっつけると、目の中がハートになるのが分かった。 うーん。いつもいい歳したおじさんを虐める官能小説だったけど、若くて新鮮な果実を汚す小説もいいかもしれない。  いつか、指を入れさせてと頼んでみようかな。駄目かな。 「和葉さん、今、違うこと考えてたでしょ」 「え、なんでわかったの?」 「触り方が雑になりました」  触るなと言ったり、雑だと拗ねたり。  可愛い。頭が痛くなくなったら、一日中わしゃわしゃ頭を撫でて甘やかしてあげたい。 「……下着越しじゃなくて、直接触っていい?」 「う。駄目です。まずは寝て、二日酔いの頭痛を収めてください。話はそれからです」 「けち。ちなみに足で擦られるの好き?」 「経験ありませんっ」  と言いつつ、ちょっとふにゃんとなった。虐められるのは嫌いらしい。 恋人同士の普通のイチャイチャが、あっくんはお好みらしい。 「――分かった。じゃあちょっと眠るね」 「握ったままですか」

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