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第134話

「じゃ、じゃあお味噌を溶いてもらおうかな。和葉さんのお味噌汁がお鍋一杯飲みたい」 「……塩分やばいんじゃないか」  それならインスタントラーメンの方がいいと思う。  液体みそなら使ったことあるので、それぐらい大丈夫。 と余裕ぶっていたが、いざ冷蔵庫を開けて少し驚く。 タッパに付箋で賞味期限を書いて、オカズが何個か作り置きしてある。 冷凍庫にも保存日を書いてジップロックにお肉や魚、そしてすぐ使えるように刻んだネギや野菜。――蟹や伊勢海老もある。 しかも全部、良さそうな高級感漂うものばかり。 味噌に至っては、小さな樽みたいなものに入っている。 「あっくんって、本当良いお嫁さんになるね」 「今は何点ぐらいですか?」 「裸エプロン時は一万点、今は500点ぐらいかな」 「和葉さんっ 好きですっ」  その可愛い笑顔が見たくて、ついつい甘やかしてしまう。  強引な始まりだったかもしれないが、俺はあっくんに選んでもらえて幸せだと感じる。 隣にいるだけで、広がるあっくんの笑顔が俺を幸せにしてくれる。 そう感じた。

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