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六。結婚写真。
鮮やかな赤色の着物に袖を通す。
誰にも誓わず、誰にも見守られず。
過去を払拭して幸せになると、あっくんに誓うよ。
某月吉日。
庭の池の水面には澄み渡った青空が移り、縁側には何の撮影だと言わんばかりの機材が並べられている。
「あっくん、あっくん、寝転んだら帯が曲がった」
「ちょっと待ってください。今、構図について打ち合わせしてるんで」
朝一でメイクと着付けをしてくれる人が着て、俺の顔を見るなり花はどうする、口紅は盛り上がり解放されたときには、座っても立ってもきつい、着物姿。
魔除けの赤、とも言われている薔薇のような燃え上がる赤い着物。全体を絞り染めし、手鞠や桜が散りばめられ、縁を繋ぐと言われている熨斗模様。大輪の薔薇が咲き乱れ手縫いで縫われた貝殻には金箔が散りばめられている。
結婚用の写真なら、花嫁が着るような白い着物の方がいいんじゃないのかな。色打掛でいいのか。
まあ、俺は結婚式なんて参加したことないし、今はやりの結婚式スタイルとかしらない。
もしかしたら今どきは色打掛だけなのかもしれない。
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