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第136話

「あー、寝転んだって畳に寝転んだんですね。まあ和葉さんは見た目が美しいので少し帯が曲がっていても大丈夫ですけど」  朝からゲシュタルト崩壊するぐらいの勢いで、俺の着物姿を見て『可愛い』や『美しい』や『尊い』と言われてたからもういい加減俺も慣れた。 本当は、女の着物なんて着る趣味はないんだけど。 竜宮家のおばあ様の着物ならば仕方ない。 この日のために、半年ほどカメラマンの人に弟子入りしてサポートしてくれる辰崎さんもいるし俺だけ、当日着飾って座っていればいいだけなんだから恵まれている。 というか。 「やばい。あっくん、……やばい」 警察官だ。しかも警察庁のキャリア組が着る本物の制服だ。 いや、警察なのだから本物を着るのは当たり前なんだけど――いい。 制服姿のあっくんは、ストイックでいい。格好いい。 「やばい。写メ撮ろう。俺の携帯どこだっけ?」 「三日ほど使われず、寝室の枕元に転がっていました」 「そうだった。やっと使うときが来たね」

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