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第143話
ちょっと恥ずかしいけど、警察服姿のあっくんに言われたら幸せすぎて蕩けてしまいそうだ。
あの制服のせいか、今日はいつもよりあっくん格好いいし。
12歳の年の差が眩しく感じる。若いって、すごいなあ。
若いってだけでなんかエロく感じる。
「よーし。竜宮さま、もういいですよ。このお手玉の中でまずは新婦様だけ撮りましょう」
ようやく我に返ったのか、わかめヘアの町田さんが淡々と話しかけてくる。
「……言っておくけど、いつもの和葉さんが綺麗なのは当たり前だから。いつも以上に撮れなかったらオホーツク海ですからね」
「オホーツク海?」
全く俺たちの話なんて聞いていなかったようで、クエスチョンマークを浮かべているようだ。
「あっくん。記念なんだから良いってば。それに俺は二人で撮れたらいいから、一人のは――」
遠慮しようとして、ハッと縁側の隅っこの荷物が目に入る。唐笠、お手玉、毬、大量の花、扇子、布の巻物などなど小道具がたくさん用意されている。
「でも竜宮さまから、前金でもう頂いてるんですよね。新婦の美しい写真100カット」
「あ、あっくーん! どういうこと?」
「記念だし、いっぱい欲しいなって思ってつい」
ペロッと舌を出すあっくんが可愛いので、許せた。
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