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第146話
「マリッジブルーみたいな憂い顔の和葉さん、激写」
マリッジブルーなんて美しい言葉は似合わないようなことを考えていたことは内緒にしておこう。
「あっくん、あのさ、写真撮影終わった後」
「はい」
「君はどうしたいのか、ちゃんと俺に言ってないけど」
なんとも卑怯な言い方をする。忘れているわけじゃないだろうと思っていたけど、あっくんは顔を綻ばせる。
「ふふふ。奥の部屋を二人の愛の巣、寝室にちゃーんと準備しています」
準備って、なんか生々しいな。バイブやスキン、ローションとかかな。
「和葉さんの肌に蚊が来ないように蚊帳をオーダーしたんです。天蓋ベッドと悩んだんですが、紫色の蚊帳が天井から下がってて、あと体が落ち着けるようにアロマでしょ、それと」
汚れた発想は俺だけだったようだ。
エッチに夢を見るような、若々しい発想でデコレーションしてくれたようだ。
「見てきます? そこで写真は撮りませんよ。町田さんなんかに晒せません。二人の愛の巣なんですから」
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