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第158話

「だから俺は撮らなくていいですってば」 「なんでだよ。だったらお前も撮ればいいだろう」 俺があっくんのカメラを渡すと、慌ててあっくんがキャッチした。 あっくんが慌てるぐらい高級なカメラと知って少し俺も怯えてしまった。 「俺も撮ります」 「あはは。俺も」 互いにカメラを向けて、シャッターを押す。 すると面白くて笑ってしまった。 ぽかぽかの日向のように、楽しい。 どんなポーズもしてくれるあっくんが、カメラの中に納まっていく。 そのあっくんを笑ってみている俺の写真も、あっくんに撮られていく。 川の上で飛び込みするふり、木の上の葉に手を伸ばす。 さきほど町田さんが撮ってくれた、うつくしすぎる俺じゃなくて、あっくんと笑い合ってるのが好きだ。 ずっとずっと見ていてほしい。好きだ。 ああ、俺は本当にあっくんが、――こんなにも好きになっていたんだな。 決定打の大きな出来事はなくて、ゆっくりじわじわ満たされていった。 今夜、俺はあっくんの本当のパートナーになりたい。 セクシャルな気持ちではなく、あっくんとう人間と抱き合いたいと思えた。

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