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第171話

馬鹿らしい世界で絶望したとき、もうこれ以上絶望することもないだろうと思っていた。 馬鹿らしい。特殊プレイに人生滅茶苦茶にされて。 俺が悪いと反省文を書かされて、誰にも信じてもらえないし、言えなくなっちゃったし。 あの世界で、唯一信用できるのがエロだったなんて今の俺でも馬鹿だと思うんだけど、本能は嘘をつかないって、あの先生と警備員から証明されて……。 「一つだけ、今、わかってることがあるよ」 泣こうとした目を、ゆっくりあっくんの真っすぐな目に向ける。 綺麗な目。エロいことはちゃんと考えるけど、それでも澄んだ綺麗な目。 「あっくんが俺を見つけてくれなかったら、俺はきっと一生一人だった。心より体の反応だけを信じちゃう馬鹿のままだった。結婚しようって、俺を連れ去ってくれてありがとうな」 ちゅっとキスする。驚くぐらい心臓がどきどきして、口から飛び出すかと思った。 けどあっくんは反対で、鬼の形相で天井を見上げた。 「聞いたか。直ちにその女教師と警備員をひっ捕らえろ。道中引き回しの刑じゃ」 「ええ!? 忍者居るの!?」 驚いて俺も上を見上げると、そのまま視界が天井に向けられる。 ん? 枕の上に押し倒されて、その上にクスクス笑うあっくんが覆いかぶさってきたんだ。 「いませんよ。忍者なんて。ちょっと驚きました?」 「もー、馬鹿っ」 ぽこんと頭を叩くと、顔が近づいてくる。今度はあっくんからキスしてきた。

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