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第173話
あっくんが浴衣を脱ぐと流れるように電気を消し、アロマの淡い光だけになる。
淡い枕元の、つたない光だけ。
廊下から漏れる月明かりだけでは、きっと俺たちを誰も見つけられないだろう。
恥ずかしいからこれぐらいの淡い光でよかった。
俺の服も脱ごうとしたら、あっくんが肩を押さえつけてきた。
「今日は、全部俺がします!」
鼻息荒く決意表明をされたので、年上の威厳は投げ捨てて任せた。
「……下着、穿かなかったんですか?」
「どうせぐちょぐちょになっちゃうかなあと」
緊張して半立ちだったので、濡れて汚しそうだった。
素直に告げたら、深いため息を吐かれた。
「無理。好き」
「お前、なんだよ、その日本語」
笑っていると、指先で唇の輪郭をなぞられ、キスされた。
「すいません。明日、和葉さんの可愛らしい唇がキスのしすぎて腫れるかも」
「ぷぷぷ。そこまで繊細じゃねーっ」
ばかだなあと、あっくんの頬を両手で引き寄せて俺から舌を入れてキスしてやった。
「でも、お互い違う場所が腫れてる、な」
覆いかぶさっているあっくんの下半身を太ももで刺激する。
ごりっと足に当たった熱い感触に息を飲んだ。
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