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第174話
自分で誘っておいて、その質量に思わず顔を上げる。
30年間、後ろを使ったことはない。大丈夫なのか不安になる。
驚いてあっくんを見てしまった。
けれどあっくんは、俺の頬にひっついた髪を払い、額に口づけ何もかも優しくふれてくれた。
「痛かったら、手をあげてください」
「ぷっ。歯医者かよ」
知ってるぞ。歯医者は、手をあげても無視して続けるんだ。
でもあっくんは――優しいからきっと止めちゃう。
そんな君だから好きになった。
好きに。
「も、もし俺の身体を見て、キモイとか思ったら止めていいから」
「今まで散々見てるでしょ。止めません」
子供をあやす様に口づけた後、首筋に舌を這わせていく。
「ふあっ」
薄暗い部屋の中、あっくんの舌が温かくて蛇みたいに肌を這うのが気持ちよくて甘い声が漏れた。
そのまま無い胸を揉んだあと、舌で弧を描くようにだんだん中心に近づき、尖っているソレを口の中で転がした。
「あっ あっく、んっ」
思わず髪を掴んだら、甘噛みされて背中が浮く。
意地悪だ。キスするみたいに舌で転がして、腰が揺れてしまうような愛撫。
「や、も、い、胸、いい、からっ」
「もっとですか?」
口で愛撫していた逆を、指で摘まむと左右にころこりと擦られた。
「ひ、ゃああっ」
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