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第207話
そう言うと、俺の足をぎゅうっと固く閉じた。
「えっと、でも、一応、蜜月だから――俺はいいよ?」
「じゃあ、絶対にしません」
どこからともなく取り出したローションを、閉じた足に落としていく。
垂れたローションから、花のような甘い香りが漂っている。
匂い付きのローションだったようだ。
「って、嘘。さっき注射注射連呼してたくせに! 期待させといて」
「期待してくれてたんですか?」
嬉しそうなあっくんの声に、思わず口を押える。
不覚にも、こんな焦らされてるときに喜ばせてしまったようだ。
「……俺の病気が悪化していいんだな」
「もちろん。手遅れになって治らなくなってほしいです」
あっくんが下着を脱ぐのをまじまじ見つめていると、あっくんも臍にあたりそうなほどそそり立っていた。
「すまた……」
「流石官能小説家。正解です」
きつく押さえつけられた足の間に、あっくんが侵入してくる。
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