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第210話
全く痛くないわけじゃない。
それでも先端が押し込められて、中へ入ってしまえばその熱に侵されて何も考えられなくなる。
一人で生きていたら、きっと知らなかったままだった。
痛みを伴う甘い刺激。俺を気遣って顔を何度も伺うあっくんの顔。
全部愛しいんだ。
知ってしまたら、何度も欲しくなる。何度も見たくなる。
離れたくなくなる。あっくんに注射されて、俺は感情は麻痺してしまったのだろうか。
もうあっくんのことしか考えられなくなってる。
足で腰をがっしり掴むと、あっくんはクスクスと笑う。
「これ、動けません」
ちょっと困ったように言うの、堪らない。
本当に可愛いなって思う。可愛いのに、――骨ばって引き締まった体は熱くてしなやかで俺の身体に火傷を残す。
「離さないように、掴んでるの。さ、どうする?」
足でホールドしたまま揺れてみれば、苦しそうに片目を閉じて快楽をやり過ごした。
「……意地悪ですね。俺の旦那は」
クスクス笑いながら、あっくんは腰を掴むと大きく持ち上げて、そして上から打ち付けるようなピストンで俺の奥を刺激した。
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