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九、結婚しちゃいました!?
入籍してこの屋敷にやってきて二か月が過ぎようとしていた。
すっかり空気は秋のそれになり、肌寒くなり、裸エプロンがきつい季節になっていた。
「くっそー。なんでだよ。なんでなんだよ!」
送られてきたメールには、今回のネームの総没についての丁寧な解説が書かれていた。
あんな、一睡もしないで書いたネームが全没なんて、つまりキャラの設定も没なんだ。
俺は項垂れそのまま布団に突っ伏した。
立川市長夫妻が、あの日、沖縄の別荘を断られたときようにプレゼントしてくれたパジャマの上だけを着た姿で、俺は死体のように転がった。
『恋人や夫婦は、同じパジャマを上は受、ズボンは攻が着るものです』
そう立川市長が言うので、パジャマのズボンは裸エプロンが寒くなってきたあっくんが着ている。
正直、裸エプロンにズボンは萎える。萌えない。
ああ。ネーム没というメールのせいで、なぜかパジャマへの不満を言うことで現実逃避してしまった。
悲しい。
「和葉さん、朝ごはんどうしますか?」
襖の向こうでおずおずと、控えめに聞いてくれるあっくんに、俺は癒しを求めた。
「あっくん!」
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