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第224話
勿論、それは嬉しい。最高に嬉しい。
けれど、それを了承するのは違う。
「俺は、和葉さんの純愛見たいです。全没でも、次も諦めずに書いて欲しいと応援してもいいですか」
「……え」
驚いた和葉さんの顔をずっと眺めていたかったけれど、信号が変わったので発進するしかなかった。
「違う出版社で書いてみてはいかがですか。俺で良ければ、一度、うちの家の歴史をまとめた本を出版した会社なら紹介できます」
「あ、そっか。エロじゃない出版社を探せばいいんだ。でも純愛なのに、わかめ酒とかお風呂であんなことやこんなことしてるよ」
「純愛でもエロは必須ですよ、大人なら」
「そう? ……抜かずの二回戦とか書かないなら純愛いけるかな」
少し悩みだした和葉さんは、俺の言葉で構想に入りだしてくれた。
そんな素直なところも好きだ。
「まあ色んなパターンがあるからね、参考にしよう」
「そうです、そうです」
「あっくんは、俺に色んな恋愛を教えてくれたし法律変えちゃってくれたし? 男同士でも恋愛できるって世界観を作ってくれたんだから感謝しないと」
「……和葉さんのためじゃなきゃ、此処までしなかったです。いや、誰にも取られたくなかったから頑張ったんですけどね」
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