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エピローグ
「おはようございます。和葉さん」
それは、俺が結婚指輪をはめて一か月が経ったころだ。
にこにこと笑うあっくんから顔を背けた。
「和葉さぁん……」
「なんで、今日もないんだよ」
「俺じゃないですっ」
「……」
「あ。その目は俺を疑ってますよね」
じとっとあっくんを見ると、悲しそうな目をする。
だが俺は騙されない。
「指を入れさせてくれたら信じてもいい」
「昨日もそんなこと言って、押し合いっこしてなかなかエッチできなかったじゃないですか! というか、犯人は俺ではありません」
布団の中に潜ったあっくんは、拗ねたのか顔を出さない。
でも三日目だ。
夜散々イチャイチャしたのち、気絶するように眠って起きた朝。
必ず俺の下着が無くなっている。
しかも、勝負下着でなくブラブラと空気性の良いデカパン。
トランクスの時だけだ。
犯人はあっくんに間違いない。
俺に布の少ないボクサーやビキニパンツしか用意していない。
通販で買った大きいデカパントランクスを見て、『似合わないのが可愛いから悔しい』とかさめざめ泣き出したのだ。
「パンツ、返してよ」
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