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第243話
座敷牢に入ると、子猫たちが俺の足にとびかかってきた。
流石、俺のパンツの上で育った子猫だ。俺のことは匂いで認識してるのか怖がっていない。
「わあ、全員白に、茶色のぶちなんだ。可愛いなあ。すっごい可愛い。いち、に、さん、4匹かあ。可愛いなあ」
座ると、俺の膝の上に我先に飛び込んできた。
「わー、本当に可愛いなあ。でもなあ、俺は自分のことも自分でするのいい加減だしきっとあっくんに、飼いたいって言っても許してもらえないと思うんだよ」
指先でグリグリ撫でると、頬ずりしてきた。
「いやでもあっくんって、スパダリだし。優しいし。包容力とか世界一だし。動物にも優しそうだし。あと世界一格好いいし、お願いしたら飼ってくれるかな? 頼んでみようかなあ」
「聞こえてます。めっちゃ聞こえる独り言、止めてください」
「……だめ?」
子猫を一匹抱えて、前足を掴んでふりふりおねだりしてみた。
「……いえ、駄目なわけありませんけど」
「すぐに首輪とキャットタワーと餌箱と、その他もろもろ購入してきます」
「え、辰崎さん」
あっくんの制止を振り切り、辰崎さんが風のごとく消えた。猫が好きなのかな。
「……言っときますけど、子猫より俺の方が甘えん坊ですからね」
「飼う前から子猫に嫉妬するなよ」
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