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第245話
「いや、そんな。和葉さんにご奉仕させるわけには」
「おー。下着の中、硬くなってる硬くなってる」
「聞いてます!? 和葉さん!」
パンツの中を覗いていた俺に、あっくんが覆いかぶさろうとするのでグルグルと回転しながら横に逃げた。
「猫は可愛いけどさ、猫に嫉妬されるってことは、俺の愛情が足りてないんじゃないかなって思って」
「そうです。足りてません」
腕を掴まれ、引き寄せられた。
「朝昼、お風呂、夜。俺は一日四回ほどいちゃいちゃしたい」
「……俺の体力もつかな?」
「エッチって意味じゃないです。エッチは週八回ぐらいで我慢します!」
一週間って七日しかないんだけど、あっくん知らないのかな。
計算できてない。
「……わかった。わかったよ。子猫諦める……」
「うっ」
「動物を可愛いなって思うのも浮気なら、我慢するしかないよね。……うん」
枕を胸に抱き、顔を埋めた。もちろん、泣いたふりじゃない。
けど、ちょっと猫ぐらいで嫉妬しすぎのあっくんにダメージを与えたかった。
やっぱりあっくんの良心がダメージを受けている。
「ごめん、なんか猫を手放さなきゃって思うと、萎んできた。今日は無理。ごめん」
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