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第253話

庭の枯葉が落ちては重なり合おう。ハート形の鯉は、揺蕩う。 干している洗濯物が風になびき、猫たちが其方へ行って跳ねだした。 俺とあっくんの唇が重なり、俺は堪らなくなって手を伸ばす。 指を絡めるとお互いの指輪が光っている。 この先も、その色は失われないように、ずっと傍に居られるように。 「好きだよ、あっくん」 耳元で囁くと、泣き出しそうなほど蕩けた笑顔で俺を見る。 「俺の方が、です」 強く抱きしめられる。 この先、しわくちゃのおじいちゃんになっても、あっくんにこうして抱きしめてもらいたい。 ずっと傍に居たい。もう一度手を伸ばして、あっくんの頬を掴んで、笑う。 「俺の方が、好き」 新婚旅行出発前に、どちらの方が多く好きかと喧嘩する。そんな愛おしい日々がずっと続けばいい、と喧嘩しながら何度も口づけたのであった。 Fin

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